「異常気象」から身を守るために   /     「異常気象」から身を守るために(9) 災害を避ける方法(地震)

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自然災害に私たちがビクビクするようになったのは、「東海地震予知」からです。それまでは、「地震も台風もときどき来るものだから、来ても大丈夫なように準備しておこう」と思っていたのですが、東海地震が予知できると言われ、それからずっと「地震がくるとわかったら、逃げよう」というように「準備」より「逃げる」ことに気持ちが行ってしまいました。その結果、東海地方だけは「明日にも来る」と40年も言われて、枕元に防空頭巾やはては乾パンまで準備して寝たものです。でも、それはすべて「ウソ」だったので..

Summary

自然災害に私たちがビクビクするようになったのは、「東海地震予知」からです。それまでは、「地震も台風もときどき来るものだから、来ても大丈夫なように準備しておこう」と思っていたのですが、東海地震が予知できると言われ、それからずっと「地震がくるとわかったら、逃げよう」というように「準備」より「逃げる」ことに気持ちが行ってしまいました。 その結果、東海地方だけは「明日にも来る」と40年も言われて、枕元に防空頭巾やはては乾パンまで準備して寝たものです。でも、それはすべて「ウソ」だったのです。日本人は素直な性質ですから、政府、専門家、NHKなどが繰り返すと、頭にそれが刷り込まれて何回もダマされても、信用しているところがあります。 その典型的なものが「石油が枯渇する」というのと「温暖化する」というもので、この二つともすでに間違っていたことがはっきりして、特に石油が枯渇するというのは、最初に「30年でなくなる。すぐ無くなる」といって庶民はトイレットペーパーまで買い漁ったのですが、それから40年たって、また改めて「あと40年」といっても、「信用する」という具合なのです。 温暖化も同じで、1988年に「2010年までに1.5℃上がる」と言っていたのに、現実には0.1℃も上がらない、むしろ少し下がり気味なのに、また2010年になると「100年後は4.3℃上がる」というのを信じる始末ですから、素直すぎるとも言えます。 これと同じように、東海地震が明日にも来ると言われて40年、その間に阪神淡路大震災、二度の新潟地震、そして東北大震災と大地震をくり返し経験し27000人もの犠牲者を出し、「噴火は予知できる」と言われた噴火でさらに50人の犠牲者を出しても、予知を信じて準備をしないということが続いています。 この際、きっぱりと「地震や噴火は予知できない。台風の進路もいい加減だ。だからいつ来ても良いように準備だけはしておこう」と思えば、すっきりします。地震の準備はすでにこのブログでも再三、書いていますが、海岸のそばに家を構えないこと、自分の家の最大震度を調べてそれに応じて家の中を整理することがもっとも良い方法です。 私の場合、二階建てなので、二階のものをかなり下ろして二階の重さを軽くしました。もともと日本の住宅は家具も物も諸外国に比べてものすごく多く、しかもすでに社会は「欲しいものがあったら買いに行けばある」ということになっているのですから、古い風習から脱して、その時、その時にいるものを中心とした生活に切り替えることが良いと思います。 これもこのブログに書いているように、資源(石油など)も十分にありますし、温暖化もしないのですから、なんでも溜め込む生活から脱することも大切と思います。 (平成26年10月10日) 音声データ 武田邦彦のポッドキャスト一覧 武田邦彦のブログ

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Duration
553
Publishing date
2014-11-05 22:01
Link
http://ijyoukishou.seesaa.net/article/408393253.html
Contributors
  武田邦彦
author  
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自然災害に私たちがビクビクするようになったのは、「東海地震予知」からです。それまでは、「地震も台風もときどき来るものだから、来ても大丈夫なように準備しておこう」と思っていたのですが、東海地震が予知できると言われ、それからずっと「地震がくるとわかったら、逃げよう」というように「準備」より「逃げる」ことに気持ちが行ってしまいました。

その結果、東海地方だけは「明日にも来る」と40年も言われて、枕元に防空頭巾やはては乾パンまで準備して寝たものです。でも、それはすべて「ウソ」だったのです。日本人は素直な性質ですから、政府、専門家、NHKなどが繰り返すと、頭にそれが刷り込まれて何回もダマされても、信用しているところがあります。

その典型的なものが「石油が枯渇する」というのと「温暖化する」というもので、この二つともすでに間違っていたことがはっきりして、特に石油が枯渇するというのは、最初に「30年でなくなる。すぐ無くなる」といって庶民はトイレットペーパーまで買い漁ったのですが、それから40年たって、また改めて「あと40年」といっても、「信用する」という具合なのです。

温暖化も同じで、1988年に「2010年までに1.5℃上がる」と言っていたのに、現実には0.1℃も上がらない、むしろ少し下がり気味なのに、また2010年になると「100年後は4.3℃上がる」というのを信じる始末ですから、素直すぎるとも言えます。

これと同じように、東海地震が明日にも来ると言われて40年、その間に阪神淡路大震災、二度の新潟地震、そして東北大震災と大地震をくり返し経験し27000人もの犠牲者を出し、「噴火は予知できる」と言われた噴火でさらに50人の犠牲者を出しても、予知を信じて準備をしないということが続いています。

この際、きっぱりと「地震や噴火は予知できない。台風の進路もいい加減だ。だからいつ来ても良いように準備だけはしておこう」と思えば、すっきりします。地震の準備はすでにこのブログでも再三、書いていますが、海岸のそばに家を構えないこと、自分の家の最大震度を調べてそれに応じて家の中を整理することがもっとも良い方法です。

私の場合、二階建てなので、二階のものをかなり下ろして二階の重さを軽くしました。もともと日本の住宅は家具も物も諸外国に比べてものすごく多く、しかもすでに社会は「欲しいものがあったら買いに行けばある」ということになっているのですから、古い風習から脱して、その時、その時にいるものを中心とした生活に切り替えることが良いと思います。

これもこのブログに書いているように、資源(石油など)も十分にありますし、温暖化もしないのですから、なんでも溜め込む生活から脱することも大切と思います。

(平成26年10月10日)


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